エクスペクト・パトロォォォォ?

エクスペクト・パトローナムという言葉をきいたことはありますか?

ハリー・ポッターシリーズをご存じの方は知っていらっしゃるかもしれませんが、原作や映画の中で「エクスペクト・パトローナム」という、魔法使いがその他の暗黒魔術から身を守るために使用する呪文が登場します。

ざっくり言えば最強級の魔法のことで、公式ファン投票でも一位に選ばれた、ある意味ハリー・ポッターシリーズを象徴する呪文です。

さて、先日のホグワーツ魔法学校じゃなかった、学芸塾にこれを超える呪文の使い手が出現した時の話を。

夏期講習の中1英語の時間、「Is this a door or a window?」(これはドアですか、それとも窓ですか。)の文章を添削していたときのことです。

その子は字をつなげて書く癖があり、後半部分の単語がつながってしまい「doororawindow」になってしまっていました。

「あのさぁ、〇〇くん・・・なにこれ・・・つなげて書くから読めないんだけど・・・これってドアオワアウインドウ?なにそれ?」とちょっと小ボケを入れてみます。

言ってみたらなんとなくゴロというかリズムというか気持ちいいので、もう一度口に出してみます・・・

「ドアオワアウインドウ?」

「ドアオワアウインドウ」「ドアオワアウインドウ」

「う〜〜ん、なんか魔法の呪文みたいじゃない?エクスペクト・パトローナムより強そうじゃん!」

杖を振る仕草をしながら「ドアオワアウインドォォォウ!!!!」

ハリー・ポッターを知っている子も多かったようで、結構ウケてます。

(まあ、たいして考えもせず言ったわりにはよかった~。教室も少し和むかな〜。)

などと思っていると、生徒のうちの一人がおもむろに・・・

『エクスペクト・パトロール!!!』

んっ!?

まぁ、教室運営をしていますとですね、このように思いついたダジャレを言い放って授業の邪魔をしてくる子はいくらでもいるので、いつものようにマルっと無視して授業を続けます。

「だから◯◯くん、いつも言ってるでしょ?単語はつなげて書かないで、普段から一つ一つ丁寧に書くクセをつけ・・・」

『エクスペクトォ・パァトォロォォォルゥゥ!!!

(向こうも諦めませんねぇ。安西先生のおっしゃるとおり、諦めたらそこで試合終了ですからね。)

(ふ〜ん、かかってくるのですね。わかりました。その挑戦受けて差しあげましょう。)

こころもち不敵な笑みを浮かべる副塾長先生・・・😁

「えっ、ちょっと待った・・・みんな今聞こえた?エクスペクト・パトロールとか言ってた人いたよね?」

多少ガヤつく教室。ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・

発言した張本人はなかなかのドヤ顔でこちらを見つめています。

「あのねぇ、□□くん・・・あなたの言ったエクスペクトなんたらってやつ?・・・聞こえてる!聞こえててあ・え・て・無・視・し・て・ん・の!わかるぅ?」

さぁて、ここから一気に畳みかけますよ!

「いや多分さぁ、君はこう思ったと思うんだよ。」

『あれれ、僕の渾身のエクスペクト・パトロールが先生に全然ウケなかったなぁ・・・』

ドッカーンと沸き起こる笑い!💥

『おかしいじゃぁないか!そうか!わかったぞぅ!さては聞こえなかったんだな。』

再びドッカーン!!💥

『まぁそりゃぁ笑わないはずさ、あれを聞いて吹き出さないわけないからな!』

ドーン!!💥

『よぅし!もう一度大きな声で言ってみよう!』

ドドーン!!💥

『エクスペクトォ・パァトォロォォォルゥゥ!!!』

ドドドッカーーーン💥💥💥

「おおかたこういうことだろう?やたら大きな声で繰り返さなくてもいいよ。聞こえてて流したの!」

生徒全員そう思っていたのでしょうか、大爆笑の渦が巻き起こります。

当の本人も頭を掻きながら一緒になって大ウケwww

これはいつも思うことなのですが、やはりこういう子がいるおかげで、なんだかんだいつも助けられてます。

その後は、普段の雰囲気に戻り、粛々と授業を進められました😊

「エクスペクト・パトロール」

生徒に取り憑き授業を妨害してくる黒魔術を取り去るには、本家のエクスペクト・パトローナムより強力な呪文でしたね〜〜😆