君はなぜ○○をするのか?

「ノートが破れちゃった。」 

「シャーペンが壊れちゃった。」 

「消しゴムが無くなっちゃった。」 

「ママがいっつも怒ってる。」

小学生の保護者の皆様、お疲れ様でございます。 

日ごろこのようなセリフを、もう何千回とお聞きになっていることでしょう。 

ところで、この言葉は本当なのでしょうか。 

事実を正確に表しているのでしょうか。(否、そんなはずはありませんよね!) 

本当は、消しゴムをかけるとき「黒歴史よ!消え去るがよい」などと唱えながら、ノートをありえないほどのものすごい力で擦りたおすからですよね。・・・ 😭

本当は、なぜか用もないのにシャーペンの骨組みを観察したいという衝動に駆られ、結果勢いに任せて分解し、挙句の果てに飽きて乱暴に投げ置くからですよね・・・嗚咽 😭😭

本当は、固く禁止されているにもかかわらず先生の目を盗んで消しピンで遊び、教室のどこかに吹っ飛ばすからですよね・・・そしてそれはすぐに見つからないんですよ・・・普段から落書きしたり、汚く使ったりしているせいで、床に対して完全な保護色になっているから・・・ 号泣😭😭😭

本当は、お子様たちの不埒な悪行三昧に心を鬼にした優しいママが、やむを得ず修羅とならざるを得ない・・・ただそれだけの話なのですよね・・・慟哭😭😭😭😭😭😭

だから、普段からそのようなセリフを聞いたら即座に訂正しています。 

「ノートを破いてしまいました。」と言ってね。 

「シャーペンを壊してしまいました。」と白状してね。 

「消しピンで消しゴムを飛ばしてしまった結果、紛失してしまいました。」と懺悔してね。 

「悪いことをしてママを怒らせてしまいました。」と悔悛してね。

と・・・まぁ、言うことをききませんけれど。 

ノートやシャーペンの件は百歩譲っていいとしても、消しピンについてはそれをやる理由が1ミリも理解できず、聞いてみたことがあるんです。 

「君たちはなぜ消しピンするの?何が面白いの?」 

あごに手をあてながら、何を愚かなことを聞くのかと言わんばかりのドヤ顔で答えて曰く・・・ 

「フッ・・・そこに消しゴムがあるからですよ。」 悪びれもせず、ドきっぱり。

これは元々、「あなたはなぜ山に登るのか」という問いに対する「そこに山があるから」というイギリスの登山家の言葉をもじったものだということまでは知っていたのですが、では実際の所、どんな背景から生まれた言葉なのかということで、気になって調べてみたんです。 

例えば、 

「人生とは、すなわち登山なのだ。

日々起こり続ける小さな事柄に捉われず、大局を見据えてその山の頂上を目指し、

ただ黙々と全力で一生懸命かつ、一歩一歩着実に登り続ければいいのだ。

結果としてそれが、有意義で充実した一度きりの人生を過ごす唯一の秘訣なのだ。」 

という、行間を噛みしめながら読むべきとでも言いましょうか、哲学的な意味を含んだ含蓄深い言葉であるように思うじゃないですか。

いざ調べてみるとその実は、新聞記者のインタビューで山に登る理由を聞かれたときに、本当に単純に「登山家は山があれば、それに登りたくなるものだ」という意味合いで言ったものに過ぎなかったのです。😱 

それが人々に伝播するうちに尾ひれがつき、いわば、大衆の勝手なそれらしき解釈でこの言葉だけが独り歩きしていっただけだったのです・・・ 

あれ?・・・しまった・・・ 

ってことは・・・ 

生徒たち・・・ 

正しい使い方してるのね・・・ 

チーン・・・合掌。 

※ちなみに学芸塾では、いかなる理由があろうとも消しピンは禁止です。

見つかったら即、ママに電話で報告するという「消しピンママ電システム」が存在しますので、ご安心ください。

ただの脅しだろうと、勇気ある(?)童子が過去にいらっしゃいましたが、お迎えのママに直接ご報告申し上げる刑に処され、ひとえに風の前の塵のごとく散っております。